- Question
- どうすれば、ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)の研究を、人間らしさや本当の豊かさを取り戻すものとして正しく伝え、広い共感を得ることができるだろうか?
- Outcome
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専門性の高さゆえに誤解や先入観を持たれてしまうこともある研究に対して、直感的に伝わるデザインと短い言葉の力によって、人間らしさに満ちた世界観を伝えた。
「サイボーグ的世界観」を一新したい
脳の信号で体を動かす技術「ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)」を研究する慶應義塾大学理工学部の牛場潤一研究室。BMIを、脳卒中などで体の一部が動かせなくなってしまった人のリハビリに応用する研究を行っています。
脳が感覚を取り戻すことで、自分で身体を動かせるようになることも実証されている技術は、「人間らしさや本当の豊かさを取り戻す」もの。しかし、世の中一般のイメージは異なります。
人間の限界をテクノロジーが超えていくという側面が強調されるあまりにサイボーグ的な世界観をイメージされがち。牛場教授も、その点に違和感を覚えていました。
BMIに対するイメージを変え、研究を魅力に感じてくれる仲間を増やしたい。その思いから、ミッションとナラティブをデザインするプロジェクトが始まります。
先鋭と人間らしさのバランス
最先端のサイエンティストでありながら、アートやデザイン、音楽や文学への造詣も深く、科学の未来に対して人間らしさを中心に据えて考えている牛場教授。ご自身のアンビバレントな魅力は、先鋭的でありながら、人間らしさを併せ持つという研究スタイルにも表れています。
教授や研究室メンバーとの対話をもとに、「人に寄り添うテクノロジーを創造する」というミッションを定め、ブランドの骨格となるロゴ、ウェブサイトをつくっていきました。
有機的な世界観をモーションで表現
CIは、脳の線画イラストを使ったモーショングラフィックで表現。ウェブサイトは文字と画像が緩やかに動くようにデザインされています。オリジナルサウンドのついたムービーも制作。有機的な動きを持つクリエイティブによって、研究室の持つ未来へのまなざしや温かさを表現しました。
- Creative Direction : KESIKI
- Website Design : multiples