リモートワークに人間らしさを

NTTコミュニケーションズ

オンラインワークスペースNeWorkの企画・開発

リモートワークは、もはや当たり前。一方、フィジカルな職場で発生するカジュアルなコミュニケーションや、セレンディピティが生まれにくいという側面も。新しい時代の働き方を実現するサービスを開発しました。
Question
どうすればリモートワークをするビジネスパーソンのコミュニケーションのハードルを下げ、リアル以上にワクワク働ける環境を提供することができるだろうか?
Outcome
オンラインコミュニケーションの課題に着目したプロダクトを開発。共感を得た結果、初期テスト利用者が1カ月で1万人超えに。巨大企業の変革の象徴となるサービスに成長させた。
「ワンチーム」でアジャイル開発

コロナ禍で急速に広まったリモートワークをサポートするべく、オンラインコミュニケーションサービスを開発したい。しかも、短期間で。そんな命題のもと2020年春、NTT コミュニケーションズの開発チームやデザイナー組織KOEL、グループ企業などの様々なバックグラウンドのプレイヤーが集結。早急に市場ニーズに応えるため、2カ月ほどでの超短期のアジャイル開発プロジェクトの実施が決まりました。

スケジュール的にはすぐにでも開発に取り掛かりたいところですが、まず着手したのはチームの働きかたや協業スタイルの整理。関わる全員が「ワンチーム」となって、口も手も同時に動かしながら、開発を進めることにしました。

 

ちょうどいいサイズの問い

すでに多くのグローバル企業が市場を占拠している中、ユーザーインサイトから未来の働き方を想像し、短期間でオリジナリティのあるUI/UXデザインに落としこむ。
その起点になるのは「問い」です。目的意識がはっきりするだけでなく、メンバーの発想を豊かにするためのジャンプ台の役割も果たします。

与えられた初期の問いは「どんな映像会議サービスをつくればいいか」。しかしこれでは抽象度が高く、チームのアイデアを引き出すことは難しい。 ユーザーや社会にとっての悩みや課題を解決するための問いかけへと練り直します。

まず、エクストリームユーザーや、プロフェッショナルへインタビューを実施。拡散と収束を繰り返す中で「未来の働き方やコミュニケーションがどうなっていくか」という大きな問いへと移行していきます。

数ある仮説の中で注目したのは「雑談やカジュアルなコミュニケーションが失われている」「これからの働き方はより人と人が有機的につながり仕事が生まれていくのではないか」という視点。「カジュアルなコミュニケーションを生むオンラインミーティングサービス」というコンセプトを導き出しました。

心地いい色、カタチ、体験 

サービスを定着させるには、多くの人に「ずっと使っていたい」と思ってもらう必要がある。言うのは簡単ですが、居心地の良さは、ひとつのものさしで測ることはできません。複合的な環境要因から、人間が感じ取る機微によって成立します。

どうすれば、フィジカルな職場以上にワクワクしながら働ける環境をバーチャルで提供できるか。デジタルサービスでありながら、温かみを演出する方法を意識して色や形もディレクションをしていきました。

オフィス空間を模したUIにするのではなく、バーチャルだからこその楽しさを生み出すために考案したのが「バブル」のデザインです。インスピレーションは、二つの水滴がくっついてひとつの粒になる自然現象。有機的なインターフェースにしたいと考えました。

また、「話す」と「聞く」のハードルを下げるための機能も追加。話しかけていい状態なのか、会議に出ているのか、集中して作業しているのか、アイコンの色でその人のステータスが一目でわかるようになっています。

また、オープンなコミュニケーションを実現するために考えたのは、「ただ聞く」ことのハードルを下げること。そこで開発したのが「聞き耳機能」です。「いまは聞くことしかできない」ということを示すことで、状態と意志の両方をビジュアルで伝える。オンラインならではの仕掛けです。

リリースしたサービスは、1カ月で登録ユーザーが1万人を超えました。メンバーの予想を遥かに上回る数字です。新しい働き方のカルチャーをつくり、世の中のワークスタイル変革に貢献すべく、現在もサービス改善を重ねています。

 

https://nework.app/ https://note.com/kesikijp/n/n65f2f1f99e1b
  • Creative Direction : KESIKI

学び

今回、チームが目指したのは心地の良い仕事の時間の実現。ユーザーヒアリングでは「チームに所属している感覚」や「周りに仲間がいる気配」「人に相談できる安心感」など、人が心地よさを感じるための様々な要素が浮かび上がりました。自分たちの働き方を含め、組織やコミュニケーションのあり方について、多くの気づきがありました。

さらに詳しいプロジェクトストーリーはこちら

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