脳科学とAIが融合したBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)技術。脳と機械をつなぐことで、脳の信号で機械を動かしたり、機械から神経に直接刺激を送ることができる最先端技術です。
慶應義塾⼤学理⼯学部⽣命情報学科教授としてBMIの研究を続ける牛場潤一教授は、その技術を応用して、脳卒中になってしまった患者さんの重度麻痺のリハビリをサポートするプロダクトを開発していました。
このプロダクトを世に届けるための企業をつくるにあたり、牛場教授には悩みがありました。それは、どうしてもBMI技術にサイボーグのようなイメージが付きまとい、患者さんや世の中の多くの人にとって、「なんだか怖い」と抵抗感を生み出してしまうということ。
そこでKESIKIにご相談をいただき、企業名やビジョン、コーポレートアイデンティティ、ウェブサイトなど、コーポレートブランディングを一緒に考えていくことになりました。
牛場教授が一番に願うのは、脳卒中である日突然身体が麻痺してしまった人がもう一度自分の意思で身体を動かすことができるようになること。辛さや苦しみを感じているはずである患者さんの気持ちに寄り添うということを第一に、言葉やデザインを作っていきました。
患者さんがLIFESCAPESのプロダクトを通してどんな日常の喜びを取り戻すことができるか、ヒアリングをもとにその風景のひとつひとつをビジュアルとコピーライティングで描いていきました。
今回、コーポレート・アイデンティティ(ロゴ)からプロダクトデザインまで、幅広いデザインをKESIKIがディレクションしました。プロダクトデザインは、国内外の企業と数多くのプロジェクトを手がけるプロダクトデザイナーの鈴⽊元さんと共に進めました。
医療関係の学会の場などでも、他の企業や団体とは全く違う雰囲気で、とても反響があったとのお声をいただきました。
- プロダクトデザイン : 鈴⽊元
学び
テクノロジーのクールなイメージを、どうやって温かくやさしいイメージに変えるか。その鍵は、技術を使う人の気持ちにとことん寄り添うということでした。KESIKIとしても、ビジョンからユーザー体験までをすべてブランディングすることで、総合的に「愛される会社」をデザインする貴重な経験ができました。