組織と自分を結びつける

sitateru

バリュー策定を中心にした組織デザイン

ビジョナリーなリーダーが抱える「理解者がいない」「同じ熱量でメンバーがついてきてくれない」という悩み。ビジョンを翻訳し、行動指針となるバリューを定めることで、組織が目指す未来を、メンバーが自分ごと化できるようにします。
ビジョンと日々の仕事をつなぐ

組織が大きくなるにつれ、掲げている言葉と事業や日々の仕事内容に乖離が生まれてしまう。創業期から成長期への移行ステージにあるスタートアップが、特にぶつかる壁です。

スキルや役割、バックグラウンドも違えば、会社の未来への解像度もバラバラ。そんなメンバーが視座の違いを乗り越え、同じ目標に向かうにはどうすればいいか。「衣服の価値を変える」ビジョンを掲げるスタートアップ、シタテルのバリューの制定とそれらをまとめたハンドブックの制作を行いました。

シタテルの代表が抱えていたのは、ビジョン、ミッションがきちんと社員の意識まで届いていないのではないか、という悩み。

社員や経営幹部へのヒアリングから、ビジョンやミッションに対して共感はしているものの、日々の業務とうまくリンクできていないことが分かりました。そこで、行動指標を決め、日常から目にできるよう「VALUE BOOK」をつくることに決めました。

拡散と収束で価値を言語化

次に、会社のコアメンバーを集めたワークショップを開催。とにかくたくさん意見を出す時間と、それらをまとめ上げていく「拡散と収束」のプロセスを繰り返す中で言葉を紡ぎ出します。

拡散のフェーズでは、シタテルが大切にしていきたいカルチャーや、仕事への姿勢を思いつく限り挙げてもらいました。
収束のフェーズでは、デザインリサーチャーとエディターがそれらを「チームワーク」「クリエイティビティ」「社会への影響」といったいくつかのジャンルに整理し、参加メンバーが投票。結果をもとに、アイデアを広げて結晶化することを繰り返します。また、 従業員の評価制度とも照らし合わせた上で、会社の軸となる「価値」を言語化していきました。
何度かの議論の末、最終的に「それは未来か」「それはゴールか」「それは幸せか」という、3つのバリュー、BASE VALUEができあがりました。

 

余白と具体の両立 

ただ、バリューを定めただけではまだ日々の実務との結びつけるには抽象度が高く、どこか他人事に感じてしまうのではないか、という懸念がありました。自分なりの解釈の余地を残した余白と「私にもできそうだ」と背中を押すような親近感。そして、日々の業務の振り返りに使える実用性を両立させるにはどうしたらいいかと検討した結果、辿り着いたのがDO’s&DON’Tsの制定です。

3つのBASE VALUEにそれぞれ5つづつ、日常の業務に置き換えたDOs(すること)とDON’Ts(しないこと)の例を描きます。さらに「自分ごと」に近づけるために、実際に社員間で交わされる「あるある会話」をヒアリングしながらイラストとともに併記していきます。

ブックの装丁にも「らしさ」を込めました。表紙の紙には、環境負荷の低い新素材「ライメックス」を採用し、BASE VALUEの未来志向を体現。どんな時にも従業員一人ひとりに寄り添う存在にしたいという意味を込め、手のひらやポケットにもおさまるサイズになっています。

「自分ごと化」をデザイン

さらに、バリューの使われ方も設計しました。社内に広く浸透させること、社外のステークホルダーにも周知させること、そして組織やメンバーの変化に合わせて進化させていくことの3つのステップを想定し、BASE VALUEを会社のカルチャーとして定着させるための施策として整理します。

いくらバリューに説得力があっても、ただ言葉として存在するだけでは機能しません。ビジョンを翻訳し、行動指針として機能するバリューに落とし込む。それらを日々の行動に落とし込むことで、社員一人ひとりに会社の未来の自分ごと化を促す。そして組織の中での使われ方を設計する。3つのプロセスを経て、人の行動に直結する指針をデザインしました。

sitateruでは現在、このBASE VALUEをもとに、社員一人ひとりの目標設定や人事評価が行われているそうです。リーダーと社員一人ひとりが同じ道を進み、新たな未来をつくろうとしています。

ブックデザインは気鋭のグラフィックデザイナー高田唯さん率いる Allright に依頼
https://note.com/kesikijp/n/nb47adca28db2
  • Creative Direction : KESIKI
  • Art Direction : Allright

学び

このプロジェクトをひとことで表すと、「行ったり来たり」。スタッフが毎日向き合っている課題と、リーダーが考えるビジョン。視座の高さやそれぞれが考える余白と、行動指針として機能するための具体性。一見矛盾する要素のバランスをどうとっていくか。組織のキャラクターごとに異なる着地点を見極めることの大切さを実感しました。

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